世界遺産の田島弥平旧宅を見学してきました
世界遺産に登録された富岡製糸場と絹産業遺産群のひとつ、田島弥平旧宅を見学に行って来ました。平日のせいか見学客は誰もいませんでした。世界遺産といえどもまさにB級スポット並、観光を僕たちだけで独占状態でした。
お金を徴収する世界遺産群の中では、利根川近くにある田島弥平旧宅の見学は無料です。
田島弥平旧宅の場所は伊勢崎の境島村に住所がありますが、利根川を埼玉側に渡ったところに案内所と田島弥平旧宅があります。
地図を見たら橋を渡るので埼玉県の深谷か本庄だと思いましたが、ここは群馬県伊勢崎市なんですよね。県境が入り組んだ場所の表門から入場しました。
中に入場すると観光案内の方が一人いました。国指定史跡田島弥平旧宅のパンフレットと田島弥平旧宅と島村散策チラシをもらいました。
田島弥平旧宅を知るためのキーワードは、「清涼育の確立と普及」「近代養蚕農家建物の原型」「島村蚕種の製造と直輸出」だそうです。
表門から見た田島弥平旧宅です。この田島弥平旧宅は、幕末〜明治にかけて、優良な蚕種(蚕の卵)を生産する養蚕技法(清涼育)を完成させて、規範となる養蚕建物も発案して、近代養蚕飼育法の確率を図った旧宅です。
そして弥平さんは飼育法に改良を重ね、自宅の養蚕建物の改良も行った人物です。養蚕建物では空気の循環が大切であると理論的に説明して、清涼育の普及に努めた方が田島弥平さんなんですよね。
当時確立された技術には、全国から多くの養蚕伝習生が田島弥平旧宅を訪れたそうです。
正門を入ったところで、右側に田島弥平旧宅があります。古い建物に現代の乗用車は似合いませんね。観光案内の方の車かな。
ここは観光客が少ないから、観光案内の方もネジが少し緩むのかも!?
弥平さんが考案した養蚕建物は、空気循環を良くする二階建て、瓦葺、気抜き用の櫓窓付の建物であり、全国の先駆けとなったようです。
先日行った藤岡の高山社の清温育が普及するまでは、弥平さんの養蚕技術が大きな影響を与えたようです。
田島弥平旧宅の庭には鳥居がありました。氏神様のようです。
田島弥平さんは文政五年生まれの方ですが、当時会社も設立して、イタリアへの蚕種の直輸出でも活躍したみたいですね。今で言う孫正義さんのようなやり手だったのでしょう。
上記写真の主屋は文久三年の建物だそうです。結構しっかりしている建物です。
伊勢崎にある世界遺産の田島弥平旧宅の場所
やはり旧宅の面積はかなり広いです。主屋の他に桑場、蚕種の種蔵、井戸などの建造物があります。
ガイドさんに聞いたらここは新蚕室(しんさんしつ)の跡地です。現在建物はありません。
ここは冷蔵庫の跡地。ここに別荘と冷蔵庫、香月楼があったようです。
主屋の中に入って見学することは出来ませんでした。主屋の櫓部分(やぐらぶぶん)には蚕室があり、温度湿度管理がされていたようです。
ちなみに櫓部分は主屋の一番高いところです。
田島弥平旧宅のアクセスは、電車の場合はJR両毛線伊勢崎駅からタクシーで35分、東武伊勢崎線境町駅からタクシーで15分となってます。また、高崎線では本庄駅からタクシーで20分、岡部駅から15分です。
車は関越自動車道本庄児玉インターから20分、北関東道伊勢崎インターから30分です。
場所:田島弥平旧宅(世界遺産)
住所:群馬県伊勢崎市境島村甲2243番地
入場料:無料
開館時間:午前九時〜午後四時まで
駐車場:無料駐車場があります
田島弥平旧宅の場所と地図